食物アレルギーは治るのか
これは、今まさに食物アレルギーのお子さんを育てている親御さんにとって一番気になっていることではないでしょうか。
私自身がそうでした。息子の卵・乳・小麦アレルギーはいつ治るのか。
本を読み漁り、先輩ママに話を聞きました。そして、アレルギーが良くなったと聞けば、それを希望にして治療を進めてきました。
一方で、息子と同じ年齢でもまだ全く治療が進んでいないお子さんもいます。進み方は人それぞれ…
それでも希望を持って欲しいと思いこの記事を書いています。
息子の免疫療法スタートはこんなに微量でした
息子が経口免疫療法(食べて慣らす治療)を始めた時、こんなに微量からのスタートでした。
・卵:フリーズドライ全卵5ml
・小麦:ゆでうどん0.1g
・牛乳:本仕込食パン32分の1(牛乳に換算すると約0.1ml)
それが、数年経って以下のように進みました。
・1歳半で加熱卵1個クリア
・年中(5歳)でうどん1玉クリア
・中学1年生(12歳)で牛乳200mlクリア
いかがでしょうか?思ったより早いでしょうか?思ったよりゆっくりで先が長いと感じますか?
私は順調だと感じています
「息子が20歳になるまでに」、「彼女とデートするようになる頃までに」少しでも食べられるようになったら良いなあ…。
もしそれが難しいなら、「誤食しても命にかかわらない程度までに」は治療を進めたいと思っていました。
治療中は何度も挫折しそうになり、医師である夫に弱音を吐いたこともあります。そんな時、夫はこう言ってくれました。
「アレルギー治療は日進月歩だ。もし、今の治療法が後に間違っていたとわかっても、今最善だとされている治療をするしかない。」「ただ何もしないより、今できることをどれだけやったかが大事。」
私は、その言葉にいつも勇気づけられ、救われました。
実際に、私たちより上の世代(2000年代初頭まで)のアレっ子たちは、完全除去を第一選択として治療してきた経緯があります。
それが、今は「すこしずつ食べて慣らす」免疫療法へと変わってきており、今後も現在の治療法が古いと言われるようになるかもしれません。
それでも、今できることを信じてやるしかないのです。
うちの子はうちの子
免疫療法を始めてみると、進み方にはかなり個人差があると感じるようになりました。子どもの体質や性格、親御さんの考え方、医師の方針、住んでいる地域によっても影響されます(私も息子が8歳になるまでに引っ越し2回、転院5回を経験しました)
周りの同年代の子がどんどん食べられるようになるのを見て羨ましく思ったり、治療が遅れていると感じて焦ったりすることもありました。
でも最後に思ったのは「うちの子はうちの子で良い」ということでした。
無理せずマイペースで
アレルギー治療には当然アレルギー症状が出現するリスクもあります。だからこそ、他人と比較するのではなく、お子さんとじっくり向き合うことが一番大事だと思います。
例え治療が思うように進まなくても、真剣に考えている親の姿、親御さんの優しい気持ちは必ずお子さんに伝わっています。
15歳の息子が教えてくれたこと
息子は今15歳の中学3年生です。
半年前に突然最愛の父を亡くしましたが、しっかりと前を向き、私にとても優しく、ときには私を守ってくれる存在になりました。
私と息子の築いてきた絆は、間違いなく「食物アレルギーがあったから生まれたもの」だと確信しています。
まとめ
- 食物アレルギーは、必ずしもすぐには治りません。
- でも、少しずつ前進することはできます。
- 大切なのは、焦らず、比べず、親子で乗り越えること。
- そして、今このときにできる最善を選ぶこと。
あなたとお子さんにも、あたたかい未来が待っていますように。
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